【時間地図】これが北陸新幹線開業の効果だ!!
こんにちは。廣戸です。
予想以上の反響をいただいている「時間地図」 の記事、第2弾です。
さて、前回の最後に「東京駅を中心とした時間地図」をお見せいたしました。
ただしこの図は、北陸新幹線開業前のデータを元に作成しており、金沢へは上越新幹線周り、東海道新幹線周り、どちらでも4時間以上かかるというような状態した。
しかし今年の3月14日、北陸新幹線が金沢まで開業したことにより、東京から金沢までは最短約2時間半で結ばれるようになりました。
すると、今現在の時間地図を描くと、金沢や富山は東京にもっと近づいてそうですね。
では、さっそくお見せいたしましょう。
北陸新幹線開業後は、このようになりました。
・・・いかがでしょうか。金沢、富山がぐんと近くなった感じがしますね!
図の中にある色のついた円は、東京から待ち時間などを含めた平均所要時間が1時間、2時間、3時間、…となる同心円なのですが、これを元にすると、金沢は新大阪や盛岡と同じくらいの所要時間となったことがわかります。
(じっさい、金沢、新大阪、盛岡のいずれへも最速なら2時間半以内、待ち時間などを含めても3時間程度で到達が可能です)
さて、北陸新幹線の金沢延伸前後での違いをより分かりやすく見るため、2つの図の違いをアニメーションで表してみました。
金沢、富山、さらには能登半島の和倉温泉が、急激な勢いで東京に近づいていますね!
これらの駅へは、東京からの所要時間が実に2時間程度も縮んでいます。
また、もともと新幹線が開通していた長野も、速達タイプのかがやき号の登場により、ほんの少し東京に近づいています。
一方、富山・金沢への最短ルートから外れた直江津は、少しだけ東京から遠くなってしまったようです。
ところで、同じ北陸にある福井は、北陸新幹線開業後も東京からの所要時間が変わっていません。
東京から福井へは、北陸新幹線が開通した今でも、東海道新幹線経由(米原経由)が早いか、せいぜい金沢経由でも同じぐらいの時間のようです。
その意味で現時点では、福井は「対東京」という意味では、北陸新幹線の恩恵をあまり受けていない、と言えるのかもしれません。
※福井にとって北陸新幹線が全く意味ないかというとそうでもない、ということは、本記事の後半の図でわかります。
なお、北陸新幹線は将来的に、福井を経由して敦賀までは延伸することが決まっています。そうなると、またこの時間地図も変わってきそうですね。
ところで、今の画像は東京を中心としていました。
では今度は、北陸新幹線の延伸した「金沢」を中心にした図はどうなるのでしょう?
まずは、北陸新幹線延伸前です(駅のチョイスは、ここまで使っていた東京を中心とした図と同じにしてあります)。
金沢から見ると、東京は名古屋や新大阪に比べてかなり遠い印象です。長野も遠く、路線図がねじれてしまっています。
東北方面に至っては、金沢からはかなり遠いように見えますね。
さて、北陸新幹線が金沢まで開業してみるといかがでしょう。
長野、高崎、東京が急接近してきました!
東京は、金沢からの所要時間で見て名古屋や新大阪と同じぐらいの近さになったことがわかります。さらに、東北地方もべらぼうに遠いというほどではなくなったように見えます。
こちらも、わかりやすくアニメーションで見てみましょう。
長野や東京、そして東北が、ものすごい勢いで金沢に近づいています!
東北が近くなったのは、金沢から北陸新幹線で(図には表しませんでしたが)大宮まで行き、そこから東北新幹線に乗り換えて東北方面に向かうことができるようになったためです。
一方、新幹線ではない特急「はくたか」が廃止となってしまったため、越後湯沢への所要時間はちょっと伸びてしまったようです。
また、金沢から静岡へは、北陸新幹線開業後でも所要時間は変わっていないようです。
ダイヤにもよるかもしれませんが、北陸新幹線から東京経由で行ったとしても、名古屋周りほど早くはないと考えられます。
さらにもう一つ、「長野」を中心にした時間地図も作ってみました。まずは北陸新幹線開業前。
内陸の長野からは、近隣の都市に出るのにも時間がかかっていたように伺えます。
もともと新幹線が開通していたため、高崎、東京へのアクセスは便利でしたが、距離的に断然近いはずの直江津が、ほぼ東京に出るのと同じくらいの時間がかかっていたことがわかります。
富山や金沢は、鉄道的にはさらにその先にあったので、長野にとって富山や金沢は東京や新潟よりも遠い場所でした。
では、北陸新幹線の金沢延伸後はどうでしょうか。
富山、金沢がかなり近づきましたね!じっさい、かがやき号なら長野から富山までは1時間を切っています。それだけでなく、北陸地方全体がだいぶ長野に近づいたようにも見えます。
こちらも、アニメーションで変化を見てみましょう。
富山、金沢はもちろんのこと、福井、敦賀も急接近していますね!
北陸新幹線を使うことで、長野から北陸の都市への所要時間は、今までよりも2~3時間は短縮されています。
開業直前、金沢や富山だけでなく、長野駅も大規模な工事を行って駅を改装していました。
北陸からの観光客を見込んでそのようなことを行っていたのも、この図を元に考えれば大変頷けることです。
また、かがやき号の設定により東京への所要時間が若干短縮された影響で、東京(や大宮)で乗り換えた先の静岡、仙台なども近づいていることが分かります。
実際の移動ではダイヤ上乗り換えが上手くいくかにもよりますが、速達化の効果がわかりますね。
さて、ここまで2回にわたってご紹介した時間地図は、「東北から北陸、大阪にかけて」の、一部の主要駅のみをピックアップしたものでした。
すると当然、「じゃあ北海道や九州はどうなの!?」「房総半島の先の方とか、逆に東京から遠いよね」「山陰行くのめっちゃ時間かかるけど、まさか…」などの疑問が湧いてきま…せんか?
そんな方々に向けて、次回は、対象範囲をもっと広げた時間地図をご紹介してみようと思います。
<おまけ>
普通の日本地図の状態から、金沢、長野を中心とした時間地図に変化するアニメーションも作ってみました。
※いずれも、北陸新幹線開業前の時間地図への変化です。
金沢を中心とした日本地図→時間地図(北陸新幹線開業前)
長野を中心とした日本地図→時間地図(北陸新幹線開業前)