【乗換BIG4】都市工学としての鉄道研究
乗換BIG4インタビュー 廣戸編vol.2
駅すぱあとのヴァル研究所が誇る鉄道ファン、乗換BIG4こと三上、鈴木、廣戸、夏目のインタビューをお送りします。
前回に引き続き、今回は乗換BIG4きっての乗り鉄・廣戸のインタビュー記事第2弾です。今回もこゆーい鉄道話、お届けします。
ちなみに本日の見出し写真は、この車両(E233)が投入された初日に撮影したものです。撮影者はもちろん廣戸でございます!
インタビューを受ける人
乗換BIG4:廣戸(ひろと)
ヴァル研究所開発部所属。幼少期から鉄道好きで、その知識・熱量は「人間駅すぱあと」と呼ばれるほど。20代前半で全国のJR路線の90%を制覇した乗り鉄の中の乗り鉄。
——廣戸さんは大学時代、鉄道に関する論文を発表したそうですね。
理工学部で都市工学を研究していました。JR南武線に快速電車を通すならば、最適な停車駅はどこか、という主旨の論文を書きました。
まず背景として、当時の南武線は各停しか走っていなくて、移動に時間が掛かるということがよく言われていたんです。そこで僕は、国土交通省が発表している『大都市交通センサス』などを参照して乗降客の数などを考慮し、シミュレーションしたんです。
——南武線は、2015年3月改正の新ダイヤで、ついに全線で快速が通ることになりましたね。
そうなんです。2011年の快速導入時(当時、川崎ー登戸間のみ快速運転)から見ていますが、停車駅が僕の論文とほとんど変わらなかったので、感慨深かったですね。
あとは、どの駅で各停を待たせて快速に抜かせるかがポイント。実際のJRがどう考えているのか。具体的な発表を楽しみにしています。
——ご自身の研究成果と、JRの中の人が考えたことが、同じだったと。廣戸さんは、未来を見通していたようなものですね。
「未来を見通した」は、ちょっとほめられすぎな感じがします(笑)。
でも、そういえば京王井の頭線も、「こういうダイヤ提案したいなー」と考えていたとおりになりました。
——というと?
井の頭線の混雑率を計算してみたんです。当時、急行と普通の比率は1:2だったんですが、それだと「途中で急行に抜かされない普通列車」がめちゃめちゃ混んでしまってたんです。
僕は、それだったら1:1にしたほうが、混雑が平均化できるだろうなと考えたんですよね。
——そしたら、本当にそうなったんですか?
そうなりましたね。
——マジですか。
運転間隔をちょっとずらすだけでも混雑を緩和できるんじゃないか、という研究をしたこともあります。
「全区間を走る列車」と「途中駅止まりの列車」が、交互に走っているとします。
その場合、すべて同じ時間間隔でダイヤを組んでしまうと、全区間行く列車のほうがどうしても混んじゃうんですね。だから、途中駅止まりのほうの出発時間を、少し間隔を空けて設定するほうが、乗客を分散できるのかなと。
——やりましょう、それ。すぐやりましょう。
まさしく夕方の南武線なんかは、そうしたらいいと思いますね。
実際には、乗り換えできる列車の都合とかあって単純じゃないと思いますが……個人的には、そう思います。
次回予告
乗換BIG4インタビュー 廣戸編 vol.3は、「大学時代の鉄研での活動について」のお話です!
毎年3回ほど行われていた「合宿」という名の現地集合・現地解散の旅……旅行好きなみなさまも、要チェックです!
乗換BIG4インタビュー 廣戸編 vol.3「廣戸流、面白乗換案内!」